福岡市早良区西新にその名も「防塁前」というバス停があります。そうです、近くに防塁の遺跡があるのです。
防塁というのは800年ほど昔の鎌倉時代に元(蒙古)の来襲から守るために作られた石垣のことです。元寇防塁とか石築地とかとも言われます。
地中に眠っている遺跡の一部を発掘したような感じです。
右側が海側なので、右から攻めてきた元軍を日本軍が左側から迎え撃ったわけですね。
石垣を触ってみたかったけど残念ながら立ち入り禁止でした(アタリマエダ)。
↑上の写真は海側(攻めてきた方)
↓下の写真は陸側(迎え撃つ方)
石垣の高さが意外と低いなあと思ったけど、↓案内看板によると、作られた当時は2.5〜3メートルあったそうです。それだけあれば防衛能力が結構ありそうですね。
敷地内に元寇神社がありました。ネットで調べてみたらこの神社は元寇の戦いで亡くなった方々を敵味方関係なく祭っているそうです。
昭和天皇の皇后さま(良子さま)が植樹された木もあります。「良子女王」と書かれてあるので大正時代に植樹されたのだと思われます。防塁の遺跡は福岡市内に何箇所かありますが、ここが最も由緒正しい防塁遺跡だな、なんて勝手に思ったりしました。
いわば中世後期の世界大戦の一端がここで闘われたのかと思うと感慨深いものがあります。
福岡市の海岸線に沿って点在する元寇防塁遺跡の中でも、この早良区西新の防塁遺跡が最も交通の便がよく訪れやすいと思います。地下鉄西新駅と地下鉄藤崎駅のちょうど真ん中くらいに位置しており、どちらかの駅から徒歩で行くことができます。